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高金利通貨、スワットポイント狙いのトレードの3つの落とし穴とは?

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はじめに

アベノミクスによって、日銀の異次元の金融緩和が開始し、日本の政策金利がマイナスとなってから久しいですね。

コロナ前は、米ドルも高金利通貨となっており、安全に資産を増やせる米ドル円スワップが流行っていましたが、コロナ後の現在では米国金利も0%付近で推移していてスワットポイントも期待出来ない状況が続いています。

今、現在もスワットポイントで利益が出る通貨があるか調査をしました。

各国政策金利・スワットポイント一覧

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図はある証券会社の対円でのスワットポイントを表にまとめたもので、10,000通貨当たりの日々のスワットポイントとなります。

金利通貨のスワットポイントの計算

政策金利が17.0%と一番高いトルコリラのスワットポイントは60円と大変高く、10,000通貨をロングすると1日に付き60円のスワップポイントがつきます。

1ヶ月では約1,800円、1年では21,600円ものスワップポイントが付きます。

100万円を預けても、1年間の利息が1円ぐらいしかない日本からすると夢のような金利ですね。

トルコリラ10,000通貨の証拠金はレバレッジ25倍で計算すると約5,000円なので、お手軽に増やせる貯金のように感じますが、果たしてそうなのでしょうか?

スワットポイントの落とし穴①

国家間の金利差によるスワットポイントが大きいのはもらう時だけではなく、こちらが支払う時にも影響を及ぼします。

上で計算したトルコリラですが、ショートを入れた時のマイナススワットポイントは150円です。

つまり、1万通貨でショートを入れると1日に付き150円、1ヶ月で約4,500円、1年で54,000円もの利息を払う事となります。

つまり、リラ/円で取引する時はロングしか入れられないという縛りがある中での取引となる事がこのスワットポイント狙いのトレードにおける一つの問題点かと考えています。

スワットポイントの落とし穴②

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直近4ヶ月のチャートですが、トップが2月14日高値15.258、ボトムが11月24日安値12.930となり、上下で2.328円で、通常の動きのようにも見えますが、トップから見ても、わずか4ヶ月で15%、ボトムから見ると20%近くの値動きをしている事となります。

ドル円でも4ヶ月で同程度の値幅での値動きはありますが、こちらは2%程度に留まる値動きとなり、資産価値はそれほど大きな変動は伴いません。

これだけ為替の値動きが激しいということはそれだけ国家に信用がないということを表しています。

スワップポイントの落とし穴③

金利と聞くと、一般的には経済が活況でインフレを抑える為、敢えて政策金利を上げて経済活動を抑えるということをイメージする人も多いと思います。

しかし、この理論が通じるのは先進国と呼ばれる国に限られており、トルコのように地域柄、常に政情不安があり、 アメリカからの制裁などで海外からの資金が集まりにくい国においても、海外からの投資を集める為、政策金利を上げることが良くあります。

「各国政策金利・スワットポイント一覧」の図を見てもらうと分かると思いますが、トルコの政策金利は政情不安を謳われるブラジルの3倍以上となっていることに注目してください。

これを言い換えれば、他国に比べて圧倒的に高い政策金利を付けてでも、海外からの資金を集めたい国、それだけ経済に不安があると言い換えることが出来るはずです。

国家破綻のリスクまでを考慮すると、スワップポイント目当てという十数年から数十年単位で考える取引には全く向いていないということが分かりますね。

結論

スワップポイント目当ての取引は、個人的には、正直おすすめ出来ません。

スワップポイントでの取引をするという人は安定志向での取引を求めているのではないかと考えています。

そうした人は先進国株式や債券に絞った投信のように元金がゼロになるリスクが限りなく低い金融商品に的を絞った取引をしたほうがいいのではないかと考えています。

どうしてもFXをしたいのであれば、口座開設ボーナスを活用し、リスクのないトレードをお勧めします。